テキトーに生きる既婚女性がいろんなことを書くブログ

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【規格外!前代未聞のショー】宝塚 月組 BADDY-悪党(ヤツ)は月からやってくる- 感想

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こんにちは、さとこです。
宝塚観劇の感想を…と思いつつ全く手をつけられていなかったのでせめてこれだけは更新したい!と思い久々にブログを更新しました。

宝塚 月組 BADDY-悪党(ヤツ)は月からやってくる-

宝塚史に残る快作となった!奇想天外破天荒なショー

はい、BADDYがめちゃくちゃツボに入りまくりました。
周りの反応を見ると、全然良さがわからん!宝塚らしくない!などと言う方もいて賛否両論なのかなという感じです。
個人的にあの作品のどこがすごかったかを書き留めておきたいと思います。

お芝居仕立てのショー ~あらすじ~

そもそもお芝居仕立てのショーって最近の作品ではあんまりなかった気がします。
BADDYのあらすじをサクッと説明しとくと、
ピースフルプラネット"地球"は清潔でクリーン、善行を積み天国へ行くことこそを良しとする。もちろん喫煙なんてもってのほか。今日も地球首都 TAKARAZUKA-CITYの平和を守るグッディ捜査官(愛希れいかさん)は仲間のポッキー巡査(月城かなとさん)と犯罪ゼロを誇るのであった!
そんなある日、王子 (暁千星さん)と王女(早乙女わかばさん)が望遠鏡を覗いていると月にポッカリ穴が開き、地球に向かってくる宇宙船がある。
高笑いと共に月からやって来たのは世紀の大悪党、バッティ(珠城りょうさん)とその仲間達!タバコを燻らし破天荒に振る舞うその姿は悪(ワル)そのもので受け入れがたいはずなのだが、なぜか地球の人々はその姿に惹かれていく。
バッティ逮捕に燃えるグッディは自らを囮にしてバッティに近付くが…。
という感じです。
ショーの各シーンがお話として続いているため、配役もすべて通し役になっています。

上演前はチラシに書かれてるあらすじの意味がさっぱりわからず、とりあえず期待感が半端なかったです。

私なりの考察

世界観

いきなり一番言いたいことから書きますね。
この作品、最初は単純に正義と悪の話なのかなと思ってましたが全く観ているうちに違うことに気づきました。
悪と善、黒と白、光あるところに陰あり…的な世界観です(伝わります?)。
善も悪もひっくるめていろんな価値観が混ざりあってこの世はできてる、なんならそれすべてひっくるめて人間ってことだし、そのこと自体が生きる!ってことなんじゃないかな?
という世界観だと私は思います。

地球に住む人たちは徹底的に善を良しとし、悪いことや道を外れたこととは断絶した生活を送ってます。
でもそもそも人々が「良し」と認める「善」って何なんだろう?という話です。
それは大多数の人が「これは良いこととする!」と認めた価値観です。
地球の人々が認める世界はとても狭い価値観に基づいたもの、そこにバッティが乱入することで知らない世界や価値観を突きつけられて地球の人々は大きく揺さぶられます。
最初は白一色だった地球の人々もバッティ達と出会うことでその魅力に惹かれだんだんと変わっていき、善も悪も混ざりあうことがとても心地よいものなんだと自覚していきます。

こういう世界観(アニメなら13話の1クールでやりそうな内容)をわずか1時間ほどの時間で歌や踊りを駆使したショーに仕立ててあります。
私は何を見せられたんだ??と思ってしまうほど最初からクライマックス&怒濤の展開です。

世界観を象徴する存在 スイートハート

私が観劇してて最初にオッ!と思った点は、ズバリ!美弥るりかさん演じるスイートハート。
スイートハートは男なのか女なのか性別を超越した存在。どちらの魅力も併せ持つセクシーな悪(ワル)です。
初っ端から女言葉にその見た目、度肝を抜かれました。その後に続くバッティとのキスシーン…。手で目を覆いつつ指の隙間から見てしまうような存在感です。

このスイートハートの言動を見たグッティとポッキーは失神するほど驚いてしまいます。男なのか?女なのか?自分が知らない価値観を突き付けられありえないほど驚いてしまう2人はある意味観客の気持ちも代弁してるのかもしれません。

「善と悪、相反する2つの世界が混じり合って混乱するけれどそれこそが素晴らしい」という作品が持つメッセージそのものの存在がスイートハートなのかなと私は思ってます。

熱く語りたい!バッティのここがすごい!

こちらも、一番言いたいことから順に書きますね。

愛希れいかさん演じるグッティによる「怒りのロケット」

泣きました。本当に、ロケットのシーンで感動して泣くなんて初めてのことです。このシーン、思い出すだけでも涙がにじむぐらい素晴らしいシーンです。
その前のシーンでまんまとバッティに翻弄され、グッティが潜入していたにも関わらず銀行から惑星予算を盗まれてしまいます。
してやられたことを知ったグッティは怒りに震えます。
みすみす犯罪を見逃したことに対しての自責の念からくる怒りなのか?それとも悪い奴と知りながらバッティに惹かれている自分に対する怒りなのか?
今までクリーンな世界の中で真っ白に生きてきたグッティにとってその感情は初めての感覚。
それと同時にグッティは怒りの感情によってもたらされる解放感や気持ちよさを知ってしまうのです。

このシーン、ずばり歌詞でそのような内容(私は生きている!)を歌ってもいるのですが、何がすごかったってそのダンスの振り付けです。
今まで宝塚で観たことあったかな?と思うような、いわゆるビヨンセとかレディ・ガガのようなパワー系のダンスで娘役さん達が踊ります。

宝塚での娘役さんってどうしても引き立て役というか、かわいらしい(もしくは成熟していて聞き分けの良い)存在に見える演出が多いと思うのですが、
このシーンでは女とか男とか関係なく1人の人間として生きる喜びや怒り、生々しい感情を振り乱して踊っています。

こんなに感情的なシーンなのにパワー系ダンスからロケットへ…統率のとれたダンスに仕上がっていることが本当にすごいし、
観ているこちらも「生きるってなんて美しいんだ」と思わされて心が震えます。

トップコンビによる「命を賭けたデュエットダンス」

泣きます。これはもう誰が見ても泣くやつです。
珠城りょうさん演じるバッティと愛希れいかさん演じるグッティ、いよいよ2人はバッティのアジトで対決の時を迎えます。
バッティにとってグッティは自分の魅力に簡単になびかない、敵と知りながら心を乱される存在。
銃を構えるグッティは引き金を引くことができず己の感情と使命の狭間で苦悩します。

2人の駆け引きが巧みなダンスで表現される中、聞こえてくるのは宇月颯さんによる影ソロ。
「…善と悪よ抱き合え 地獄に落ちても共に行け 罪人ふたり…」

燃え落ちるアジトで命を賭けたダンスが繰り広げられます。
炎に包まれる中、二人が選んだ結末は…!

見ごたえがすごすぎて息をするのも忘れてしまうシーンです。
罪人ふたり。人間の醜い感情を知ってしまったグッティも罪人なのでしょうか?バッティの悪事に応えてしまったことが罪?考え出すと深すぎてキリがありませんが、このシーンは単に主人公2人の愛のダンスという単純なものではなく善と悪、白と黒、相反する2つの魂が混ざり合って昇華されていく様子を表しているのかなと思うと…「本当にすごいもん見せられた」と私は手を合わせて拝みたくなります。
合掌…。

サイドストーリーと個性的なキャラクターが気になりすぎる

バッティとグッティのストーリー意外にもいろんなキャラクターの物語が進行していきます。
無垢な王子さま(暁千星さん)が悪に惹かれてしまい、悪の華のシーン(男役の群舞)では色気をふりまく大人の男性に成長していたり
むじんくんさながらの扮装が印象的な宇宙人(輝月ゆうまさん)がいろんなシーンに出てきてやたらと目を引いたり…。
それぞれのキャラクターが個性的でどこを見ていてもおもしろいです。

特筆すべきなのはポッキー巡査(月城かなとさん)と、クール(宇月颯さん)&王女(早乙女わかばさん)でしょう。
ポッキー巡査はグッティに片思いしているのですが全く相手にされていません。
そんな彼が悪事に手を染めることによってグッティに追いかけてもらえると気付くシーン。
一言で表現すると「真性のサイコパス」です。本当にヤバい奴がやるやつです。
そんなお茶目?ヤバい?彼が忘れかけていた自分の信念を、命を賭して貫く姿には思わずスイートハート様も心を射抜かれています。「君こそが男の中の男!」
彼のかっこよさが最後の最後で爆発するのが最高です。いろんな意味で爆発していますしね。

またクールと王女が魅かれあう姿は、劇場でも目が足りなくなることになってしまい非常に大変でした。
王女の無垢な優しさがクールの心を少しずつ動かしていく様子が言葉を交わすことなく表現されていて、2人に関して妄想が止まらなくなりますね。
そんな2人がフィナーレで楽しそうに踊る姿を見て、こちらもまた「天国で結ばれたのね。本当によかったね。」と手を合わせて拝みたくなりました。
合掌…。

あと個人的には、千海華蘭さん演じるシェフの造形がめちゃくちゃにかわいくて萌えました。
オペラグラス越しに見ているとそばかす的なメイクで?ちょっと子どもっぽいお顔。
で、シェフの格好でエビを抱いて踊っている??いや、エビを抱いているってどういうことよ??めちゃかわいい!!!!
パンフでスチール写真を見るとそばかす的にお顔にラメをあしらってらして…なんなのこの子!!??と取り乱すかわいさです。

出てくるキャラクターが全員かわいい。ほんと…合掌…。

そこはかとない昭和感・アニメ感

う~ん、、、あんまり確信が持てないのですが、、、
やっぱりバッティって石原軍団的なイメージなのでしょうか???
髪形とかサングラスとか音楽の感じ(11PM的なコーラス)とか扇子を振り回すバブリーなフィナーレとか、な~~~~~~んか昭和のにおいを感じます。
さらにガビーーーーーン的な見得を切るとこ(というか顔芸?)、グッティの魔女っ子みたいなアニメちっくな見た目、地球の皆さんの個性豊かな風貌はまるでアニメのようです。

内容は斬新で新しいのに端々にちょっとした懐かしさを感じるところ、バランスが絶妙で「ぶっ飛んでるけどわけわからなくはない」という不思議な世界観になってます。

最後に

というわけでつらつらと魅力を語ってみました。
最後に言いたいこと、ツイッターに載せた自分のコメントを載せときます。

正直、これが宝塚の新しい形じゃい!!!!!文句あるか!!!!!とぶん殴られた気分でした。
上田久美子先生おそろしすぎます…。パンフレットには
「失われゆく悪と自由への挽歌を歌ってみたい」というコメントがありますが…。
いや、あんたが一番ハードボイルドやん!!!


すごくめちゃくちゃ超個人的な意見なのですが、過去の再演よりもこういう突拍子もない作品をたくさん観てみたいです。
新しいショー、新しい男役・娘役の関係性、新しい価値観を提示してほしい。
宝塚にしか踏み込めないエンターテイメントをこれからも応援していきたいなぁと思いました。

上演は終わってしまいましたがご覧になってない方はぜひ映像等でご覧ください。
私は本当にオススメします!

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